土地の売却は仲介業者と買取業者どちらが最適?底地権者が確認すべき注意点とは

土地の売却は仲介業者と買取業者どちらが最適なのか、また、底地権者が確認すべき注意点について解説します。

土地を売却する際の流れ

まず、土地に適した売値を設定する必要があります。
適した売却価格でなければ、長期間売れなかったり、高い価格で売れたはずの土地を低価格で売却したりと、損をする可能性もあるのです。
そのため、土地の査定を行い、最適な価格を算出してもらう必要があります。
次に、業者と契約をして、実際に売却する価格を決定、実際に売りに出す流れです。
売却価格の高さと、売却完了までの時間は比例しません。
売りに出した直後は少々高い価格を設定し、買い手の動きを探りながら価格を低くしていくことが一般的です。
買い手が現れた際、価格交渉が行われることが多いため、交渉されることも念頭に決定しましょう。
売却価格を決定したあとは、業者側が広告やチラシ、インターネットサイトなどさまざまな方法で営業を行います。
買い手が現れたら、売買契約を締結します。
土地の売却は高額であるため、「口頭で契約の約束をしたから売却する」とせず、最終的には必ず書面で契約を交わすことが大切です。
契約成立後の契約破棄などにより売り手が損をしないよう、買い手が手付金を支払いますが、契約破棄といった行為がない場合には価格の一部となります。
土地の所有権を買い手に移す契約では、登記の手続きを行わなければなりません。
しかし、支払いの時期と登記を移す時期が大きく異なると、土地の所有権が買い手のものになったにも関わらず、お金が支払われないといったトラブルになることもあります。
そのため、司法書士など専門知識を有する第3者が手続きを行うケースが多いです。
基本的には、決済と登記が完了したときに、土地を渡せる状態にしておきます。


土地売却時の注意点

土地を売却する際には、いくつか注意をしなければならない点があります。
なかでも、特にチェックしておくべき3つの注意点を見ていきましょう。
1つ目は、抵当権がつく際にはローンが完済した状態で売りに出すことです。
売却した際の価格と自分の資金を利用してローンの完済ができない場合には、土地を売却できません。
2つ目は、土地の売却に必要な費用を認識しておくことです。
土地売却時には、手数料、税金、登記などの費用がかかり、費用を計算していなかったために土地を売却してもプラスにならなかったというケースもあります。
3つ目は、山林や農地を売却する際には申請が必要であるということです。
農地を売却するときには、農業委員会へ許可申請を行います。
農業委員会への申請を行わず許可がおりていなければ、売却の契約をした場合でも無効になるため注意が必要です。
また、農地は土地価格が低くなるため業者が取り扱っていないことも多く、不動産業者以外の農地関連業者へ依頼をする、もしくは自分で売却するケースも少なくありません。
山林は、土地と樹木を別のものとして所得を申告します。
そのため、山林の売却時には、土地と樹木の価格を別にして検討する必要があるのです。
さらに、第3者に対して借地人が利用している土地を売る際には、新地主が地代の受取人になることも認識しておくべきだといえます。
土地の所有権移転登記を行ったあとであれば、借地人に対して新地主が地代を請求できるのです。
土地の売却については基本的に地主が軸になって行えるものですが、第3者に売却する際には借地人や買い手に迷惑がかからないように、売却後の流れも確認しておきましょう。

土地の売却を仲介業者に依頼するケース

土地の売却は、仲介業者もしくは買取業者に依頼するケースが多いです。
まずは、仲介業者に依頼するケースから見ていきましょう。
仲介業者を通すのは、土地の売却時に最も多く利用される方法です。
仲介業者は、土地を売却したい底地権者と、土地を買いたい人のあいだに入り、手続きや宣伝などを行います。
可能な限りたくさんの買い手にアピールしたいと考えている場合、仲介業者に依頼する方法が最適です。
また、仲介業者との契約には、一般・専任・専属専任と3つの媒介契約があります。
一般媒介契約とは、いくつかの不動産会社へ土地の売却を依頼する方法であり、自分で宣伝活動を行って売ることも可能です。
専任媒介契約とは、決められた不動産会社へ依頼する方法で、自分で売ることもできます。
専属専任媒介契約とは、決められた不動産会社へ、土地の売却に関連するすべての業務を依頼する方法です。
依頼される不動産会社の立場では、いくつかの不動産会社と競う必要のない専任・専属専任のいずれかの媒介契約が望ましく、一般媒介契約を避ける傾向もあります。
契約はすべて3カ月更新のため、契約内容の見直しも可能です。


土地の売却を買取業者に依頼するケース

買取業者に土地の売却を依頼すると、買取業者が土地の買い手になってくれます。
そのため、非常にスムーズに売却できることがメリットであり、売却しなければならない期間が決まっているケースには最適です。
しかし、仲介業者に依頼する際と比較をすると、売却価格は安くなってしまう点がデメリットとして挙げられます。
業者によって、高級住宅地の土地販売が得意である、地方の土地販売が得意であるなど、特徴があるものです。
そのため、売却する土地の環境に最適な業者に依頼することが重要だといえるでしょう。