出張に行った際の復命書の書き方と注意点

会社の命令で出張に行った場合は、出張に関する内容を上司や職場に報告する必要があります。出張の内容を報告するために用いられるものが、復命書と呼ばれる報告書です。復命書の正しい書き方や注意点について確認しておきましょう。

復命書とは何なのか?

復命書とは、出張報告書の種類の1つであり、主に公務員が使用するケースが多いです。一般的な出張報告書との違いは、復命書の場合、上司が出張を命じた際の「命令書」と対になっていることが挙げられます。
復命書の提出によって、出張や会議・研修・視察などを命令に従って行った証拠となり、経費計算の根拠にもなるため、正確さが非常に重要です。もしも、うろ覚えの状態やあいまいな記憶をもとにして、事実と異なる復命書を作成してしまうと、業務命令違反となる可能性もあるため十分に注意しましょう。

訪問先の情報は詳細に

復命書を作成する際には、会社名、部署名、会議の参加者名などを細かく記載します。訪問先が複数ある場合は、すべての会社名や部署名などを記載しなければなりません。訪問先を訪れた証拠として、会議や意見公開会の写真も合わせて提出すると、より信頼性が増します。
自己判断で「重要な訪問先ではない」などとして、記載せずに提出しないよう注意が必要です。もしも、訪問先が複数存在する、復命書にまとめられないといった場合は、複数枚に分けて提出しましょう。

時系列に沿って

復命書は、命令に関する報告書であるため、時系列の正確さも求められます。正確な内容を作成したことを証明するために最も有効な方法が、数字を重視して作成することです。上司は復命書を確認して、命令通り隙間なく、スムーズに業務が進んだかを確認します。途中に空き時間ができていると、業務の段取りが悪かったと思われてしまうため、商談時間、会議終了時間などは常にメモを取っておきましょう。

移動時間は分単位で

メモをもとに、復命書には時系列に沿って書くことを意識し、出張経路の乗り換えや乗り継ぎの時間も分単位で記載することが大切です。さらに、復命書は出張先でかかった経費の根拠にもなります。
出張先で会った人の氏名と人数、使用した経費など、あいまいな記憶で書くことは厳禁です。使用した経費については、復命書と経費精算の2つで詳細を確認します。そのため、交通費も使った交通機関や移動時間、利用人数などを正しく記しておかなければ、不正な経費の使用を疑われる可能性もあるのです。

簡潔でわかりやすい文章を意識

復命書は、内容の正確さだけではなく簡潔でわかりやすい文章にすることも大事です。内容を整理していない文章や、長い文章は、例え内容が正しかったとしても相手に読む気を失わせます。
そのため、事実をすべて網羅するのではなく、出張の趣旨や目的を踏まえたうえで、要点を絞って書くことも重要です。また、上司に提出する重要な書類であるため、提出前にはしっかりと校正を行い、誤字や脱字もチェックしましょう。

基本的に主観は混ぜない

正しい出張報告を行うためには、報告書には基本的に主観を混ぜないようにします。個人の主観が入ってしまうと、客観的な事実が分かりにくくなるためです。
ただし、調査や研修を目的にした出張であり、復命書に「出張の成果や今後業務に生かせそうなポイント」といった内容を報告する項目がある場合は、主観での意見も必要となります。出張の内容や復命書の項目に沿って、臨機応変に対応することも大切です。

復命書は出張後速やかに提出すること!

出張後に復命書の提出が必要な場合に、立派な復命書を作成できたとしても、出張から時間が空いてしまうことは好ましくありません。復命書は、出張後に可能な限り速やかに提出することが社会人のマナーであるといえます。スムーズに作成、提出するためにも、出張中の用務の都度メモをとり、効率的に書けるようにしておきましょう。