わけぎのぬたの作り方!ぬたを使ったレシピも紹介

わけぎの料理といえば、酢味噌和えのぬたが定番です。しかし、わけぎには独特のぬめりがあるなど、調理をしたことがない人は「使用することが難しい食材」というイメージを持ってしまうケースもあります。そのため、避けてしまいがちな食材でもあるのです。そこで、わけぎのゆで方やぬめりの取り方といった、基本の調理方法からチェックしていきましょう。また、わけぎを使用した酢味噌和えなど、簡単に作れる人気レシピを紹介します。

わけぎのぬたを作るときの下準備

わけぎのぬたを作るうえでは、最初にわけぎをゆで、ゆでた後に出るぬめりを取り除くことが大切です。ゆでる手順、ぬめりを取る手順は、それぞれ非常にシンプルであり、時間も要しません。ゆで方とぬめりの取り方について、詳しい手順を解説します。

・ゆで方

わけぎは軽く水洗いをしてから、根を切ります。鍋にお湯を沸騰させたら、水1lに対してティースプーン1杯程度の塩を入れます。塩水を使用することで、わけぎに塩味が浸透しておいしくなるためです。また、わけぎは根元からゆでます。わけぎの先を持ち、根元から30秒程度ゆでると、全体の火のとおりが均一になるのです。
30秒程で根元の白い部分は柔らかくなるため、根元が柔らかくなったところでわけぎ全体をお湯に入れて、30〜45秒程度ゆでましょう。
全体を入れたあとは、落しぶたをする、もしくは1~2回上下を返して、ゆで度合いを均一にします。ゆでたわけぎは、食感を残すために水にはつけず、ざるにあげて冷ますことがポイントです。料理の途中で冷ます必要がある場合などは、うちわで仰ぐとスムーズに冷ませます。

・ぬめりの取り方

わけぎやは、ゆでたあとの内側にぬめりがあることが特徴です。味わいや食感をよりよくするため、ぬめりを取り除きましょう。冷ましたわけぎをまな板に置いたら、根本から包丁でしごくとぬめりが出ます。
ただし、力をいれてぬめりを完全に取り除くわけではなく、多少はぬめりを残しておくという意識でしごくことがポイントです。ぬめりにもネギの風味があるため、残しておくことで香りを楽しめます。



わけぎのぬたの人気レシピ

わけぎをゆでる時間は1分程度であり、ぬめりの取り方も力加減さえ注意すれば、難しいものではありません。わけぎの下処理が完了したら、さまざまなレシピに活用してみましょう。まずは、わけぎの定番料理であるぬたのレシピを5つ紹介します。

・わけぎだけで作れるオーソドックスなぬた

材料が非常にシンプルであり、わけぎの食感が楽しめるぬたのレシピです。材料である辛子を多めに入れると、ほどよく刺激のある大人の味に仕上がります。
材料はわけぎ1束、白味噌大さじ3、砂糖大さじ1、酢大さじ3、練り辛子適量です。
料理の手順は、まず、わけぎを3~4センチ程度に切り、根のほうの太い部分と葉の部分に分けます。
調味料の白味噌、酢、砂糖を、なめらかになるまでしっかりと混ぜたあと、好みの分量の練り辛子を混ぜましょう。
フライパンを熱し、最初にわけぎの太い部分を入れて炒めることがポイントです。
少し焼き色がついたら葉の部分を入れ、多少しんなりしところで火からおろします。
熱いうちに白味噌と和え、広げて冷ましたら完成です。調理の際は、わけぎに火を通しすぎると独特の歯ごたえがなくなり、おいしさが半減してしまうため注意しましょう。

・わけぎとホタルイカのぬた

ホタルイカと和えたぬたのレシピです。来客時のレシピとして活用できるほど、見た目も上品に仕上がります。
材料はわけぎ150g、ホタルイカ100g、白ごま少々、白味噌大さじ1と2分の1、酢小さじ4、砂糖大さじ1、練り辛子小さじ4分の1です。
まず、わけぎの白い部分を切り分けて湯がきます。
白い部分を1分、次に青い部分を加えて1分湯がいたら、ざるにあげて冷まし、3センチほどの長さに切ってぬめりをしごき取りましょう。
ホタルイカは目玉を取り、ざるに入れてサッと熱湯をかけ、水気を切っておきます。白味噌、酢、砂糖をボウルに入れて混ぜ合わせ、わけぎとホタルイカを和えて盛り付けて、白ごまをあしらったら完成です。
また、わけぎ、ホタルイカと酢味噌は、混ぜてから時間が経つと水気が多くなってしまうため、食べる直前に混ぜます。

・わけぎと油揚げのぬた

わけぎと一緒に、焼いた油揚げの香りが楽しめるレシピです。
わけぎと油揚げは食感も異なるため、最後まで飽きずに食べられます。
材料はわけぎ1束、油揚げ1枚、味噌大さじ1.5、酢大さじ2、砂糖大さじ2です。
最初に、わけぎを洗って根元を落とし、食べやすいよう4cm程の長さに切ります。たっぷりのお湯でサッとゆでて、ザルにあげて冷ましましょう。
油揚げはフライパンで焼きますが、油を使用すると吸ってしまい食感が悪くなるため、油を引かずに裏表を焼くことがポイントです。
焼きあがったら、食べやすい大きさに切ります。ボウルに味噌、酢、砂糖を入れて混ぜ合わせ、わけぎと油揚げを加えて和えたら完成です。
完成したぬたを盛りつけた際に、好みで煎りごまをふりかけると、より風味が増します。

・タコとわけぎのぬた

ゆでたタコと和えたわけぎのぬたのレシピです。基本的な手順はゆでるだけであり、非常に簡単に作れるため、食卓に1品追加したいときに重宝します。
材料はわけぎ150g、油揚げ1枚、ゆでたタコ100g、米酢大さじ2、粉からし小さじ1です。調味料として白味噌大さじ3、酒大さじ2、みりん大さじ2、砂糖大さじ1、すりごま大さじ1を混ぜておきましょう。
最初に、ゆでたタコ、油揚げを食べやすい大きさに切り、わけぎも3〜4cm程の大きさに切ります。
調味料をフライパンに入れて温めますが、焦がさないように弱火で混ぜながら温めることがポイントです。一煮立ちしたら米酢を加えて、さらに一煮立ちさせます。冷めたら粉からしを入れて、よく混ぜましょう。
油揚げはザルに入れ、熱湯をまんべんなくかけます。次の手順は素早く行うことが大切です。
まず、多めの水を沸騰させてわけぎを根元側から入れたあと、すぐに油揚げと同じザルにあげ、素早く流水で冷やします。
わけぎと油揚げの水分を絞り、作っておいた合わせ酢味噌と和えたら完成です。わけぎは火が通りやすいため、食感を残すためにもゆですぎないように注意します。

・タケノコとわけぎのぬた

タケノコを使っており、春らしさが感じられるぬたのレシピです。わけぎとは異なる種類の、シャキシャキとした食感も楽しめます。
材料はわけぎ2束、あく抜きした柔らかい部分のタケノコ7cm程です。調味料として、白味噌大さじ3、酢大さじ2、みりん・だし汁各大さじ1、白すりごま大さじ4くらい、砂糖大さじ1半を混ぜておきましょう。
最初に、わけぎは4cm幅に切り、白い部分と青い部分に分け、タケノコは縦に3mm程の大きさに切ります。
鍋に2cm程の水を入れて沸騰させますが、塩をひとつまみ加えて、わけぎに多少の塩味をつけることがポイントです。
沸騰したらわけぎの白い部分を入れ、1分半程ゆでたら青い部分も入れてさっとゆで、ザルにあげ冷まします。
混ぜた調味料の中に、タケノコとわけぎを入れて和えたら完成です。
だし汁は酢味噌の強さを調整する役割として使用するため、好みで量を減らしてもよいでしょう。



ぬた以外の人気レシピ

わけぎを使った人気レシピは、ぬただけではありません。基本の調理方法を押さえてくことで、さまざまレシピにチャレンジできます。また、わけぎはほかの食材の味を邪魔しないため、活用しやすいことも特徴です。そこで、わけぎを使用したぬた以外の人気レシピを紹介します。

・わけぎの豚炒め

材料を切って炒めるだけの簡単なレシピであり、お弁当のおかずとしても活用できます。材料は豚肉切り落とし200g、わけぎ10束程です。また、豚の下味に醤油大さじ1とお酒大さじ1、全体の味を付ける調味料は醤油小さじ1、みりん小さじ2、生姜チューブ5mm〜1cmも用意します。
まず、豚肉に下味を付けて5分ほどおき、豚肉に味が染み込むまでのあいだに、わけぎを5cm程の長さに切っておきましょう。
フライパンで豚肉を炒め、火が通って色が変わったところで、調味料を入れて絡めます。最後に、わけぎを入れて1分程火を通して完成です。

・わけぎと新じゃがのチヂミ

一般的に、チヂミに加えるメインの食材はニラです。しかし、ニラの代わりにわけぎを混ぜることで、もちっとした食感が楽しめます。材料はわけぎ1束、新じゃが中サイズ2個、小麦粉大さじ4〜5、塩こしょう適量です。
まず、新じゃが1個と半分を千切りにし、もう1つはすりおろしておきます。
千切りにした新じゃがの長さに合わせてわけぎを切ってボウルに入れ、小麦粉大さじ1を加えて、ざっくり混ぜましょう。
新じゃがは水にさらさず素早く和えてしまうことで手間を省くこともポイントです。別のボウルに小麦粉を大さじ3〜4杯を入れて、同量の水で溶き、だしの素を半分〜1袋入れて混ぜます。
そして、水溶き小麦粉と、すりおろした新じゃが1個を野菜のボウルに入れて混ぜ、塩こしょうで味を整えます。
フライパンに油をいれ、中火で熱して生地を流し入れて両面をしっかりと焼いたら完成です。
また、チヂミを焼く際にはフライパンにごま油を入れると、より香ばしい仕上がりになります。

・牛肉とわけぎの梅和え

牛肉のコクと梅のさっぱりとしたバランスがよく、牛肉に下味をつけてから焼くためしっかりと味がしみ込み、ご飯のおかずにも最適です。
材料は牛肉100g、牛肉の下味として酒小さじ2と醤油小さじ1、ごま油小さじ1、わけぎ8本、梅1個、梅に混ぜる調味料として出汁大さじ1と醤油小さじ1、黒酢小さじ半分を用意します。
まず、下味をつける工程です。牛肉は食べやすい大きさに切り、下味用の調味料である酒と醤油と混ぜて味をつけます。
わけぎは茹でてぬめりをしごき、3cmの長さに切り、梅干しはたたいて梅用の調味料として用意した出汁、醤油、黒酢でのばしておきましょう。梅干しの塩気の強さによって、梅に混ぜる調味料の量を調整しながら、好みの味に仕上げることがポイントです。
油を熱したフライパンで牛肉を焼いたら、梅干しをのばしたものに漬けていきます。牛肉の粗熱が取れたら、わけぎと和えて完成です。



・わけぎと鶏肉の炒めもの

わけぎと鶏肉を炒めるだけのスピードレシピであり、忙しい人や、料理初心者でも簡単に作れることが魅力のレシピです。材料は、鶏もも肉200g、しめじ1パック、わけぎ1束、ニンニク1かけ、鷹の爪1本、サラダ油大さじ1、塩コショウ少々を用意します。調味料は、めんつゆ(3倍濃縮タイプ)大さじ1.5以上、酒大さじ0.5、みりん大さじ0.5です。
まず、わけぎをざく切り、鶏肉は一口大に切りにして、それぞれ塩コショウで味をつけます。ししめじは石づきを落として、ほぐしておきましょう。
フライパンに油を入れ、ニンニクと鷹の爪を入れて、香りが出たら鶏肉を焼きます。鶏肉に火が通ったら、しめじを入れて炒め、酒を入れてアルコールを飛ばします。
最後にめんつゆ、みりん、わけぎを入れ、軽く混ぜ合わせたら、余熱でしんなりさせることがポイントです。わけぎはすぐに火が通るため、炒めすぎないように注意します。
また、豚肉などほかの肉でも代用できるため、鶏肉がないときや味を変化させたい場合にも作りやすいレシピです。

・わけぎの卵とじ

卵のふんわりとした食感が特徴であり、朝食にも最適なレシピです。材料はわけぎ2本、卵1個、えのき20g程、鶏ガラスープの素・塩コショウ少々、ごま油を用意します。
まず、わけぎは斜め切りにし、えのきは半分に切って下準備をしましょう。
次に、卵を溶いて、鶏ガラスープの素を加えます。卵は、ふんわりとした食感を出すために、しっかりと溶いて空気を入れることがポイントです。
また、鶏ガラスープの代わりに白だしを入れる方法もあります。
いずれの材料も和風の香りつけになるため、自宅にあるものや好みのものを使用しましょう。
フライパンにごま油を熱し、わけぎとえのきを炒め、しんなりしたら塩コショウで味を整えます。溶いた卵を回し入れて、卵が好みの硬さになったら完成です。

わけぎの料理はぬたが基本!まずはぬたにチャレンジしてみよう

わけぎ料理といえばぬたであるといっても過言ではないほど、ぬたは定番のレシピといえます。そのため、はじめてわけぎを使用した料理にチャレンジする場合、ぬたから作る人も多いです。
食感や香りも楽しめるため、炒めもののアクセントとしても活用できます。わけぎの調理のコツを掴み、扱い方に慣れてきたところで、ほかのレシピにも手を広げましょう。